人々の健康志向は高まっていますが、その反面日々の健康のために必要なバランスの取れた食事をすることは現代では難しくなってしまいました。そのため、普段の食事ではどうしても不足してしまう栄養素を摂取する方法としてサプリメントが広く使われています。

普段私たちが食べる食品には様々な栄養素、或いは健康に効果のある成分が含まれていますが、サプリメントはその目的上特定の成分だけを濃縮し、多くは錠剤やカプセルの形状をして味も量感もないので「飽きる」「満腹になる」と言うことが起きにくく、普通の食品に比べ過剰摂取になりやすいので注意する必要があります。アメリカでは栄養不足のない人がビタミンやミネラルのサプリメントを使用しても一部の疾患に対して予防効果がなく、別の疾患のリスクを高めると言う指摘があるそうです。

また、血液凝固防止薬を服用している人がビタミンEを含むサプリメントを大量に摂取すると傷口から出血しやすくなったり、利尿剤と大量のビタミンCの併用で腎・尿路結石が起きる可能性がある他、カルシウム・マグネシウムを含むサプリメントが骨粗相症治療薬の吸収を阻害するなど、サプリメントの成分やその組み合わせによっては同時に摂取する薬の吸収が悪くなる、副作用が強くなると言った効き目に悪い影響を与える場合があります。

栄養補給の方法として手軽なサプリメントですが、こうした医薬品との相互作用については分かっていることが少なく、その研究は発展途上にあるといえますが、自社の製品と医薬品・市販薬との飲み合わせをデータベース化し、消費者からの問い合わせに対応しているメーカーもあるそうです。

手軽さが受け入れられているサプリメントですが「健康な人が健康維持のために利用するもの」と言う本来の目的をしっかりと念頭に置き、自分の食生活の中で足りない栄養は何か、服用している医薬品と併用しても大丈夫かなど、一歩立ち止まって冷静に判断して使いたいですね。